コンタクトレンズの種類と特長
コンタクトレンズには、大きく分けてハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズがあります。それぞれに特徴がありますので、自分の目にあったコンタクトレンズを選びましょう。
ハードコンタクトレンズとは、名前の通り、水分を含まない、プラスチック製の黒目(角膜)より小さい固いレンズです。
酸素透過性ハードコンタクトレンズ:RGP(rigid gas permeable)
コンタクトレンズ素材自体が酸素を通し、目の呼吸をさまたげないコンタクトレンズです。 素材によって、コンタクトレンズが酸素を通す量は異なります。どの程度酸素を通すかの指標として「酸素透過係数(Dk値)」というものがあり、このDk値が高ければ高いほど目にとっては十分量の酸素が供給され、酸素をたくさん通すほど目にやさしいコンタクトレンズといえます。しかし、Dk値が高いとレンズが軟らかくなるため、変形したり、傷がついたり破損しやすくなります。また、レンズが汚れやすくなるため、きちんとしたケアが必要です。したがって、Dk値が高ければすべてOKというわけではなく、自分に合った材質のレンズを選択することが大切です。
ハードコンタクトレンズ:PMMA(polymethyl methacrylate)
酸素が透過しない材質のハードコンタクトレンズでは、長時間使用すると角膜の内側にある細胞に障害を起こすことがあるので、最近では酸素が透過する材質のハードコンタクトレンズが多く使用されています。
ソフトコンタクトレンズとは、水分(涙)を含む、黒目(角膜)より大きい軟らかいレンズです。使い捨てコンタクトレンズ(ディスポーザブルコンタクトレンズ)や頻回交換レンズが開発され、従来のソフトコンタクトレンズに比べると酸素透過性の高い材質でできていることが多く、さらにレンズが汚れる前に交換されるために重篤な眼障害の発生頻度は低くなりました。
含水タイプ:低含水、高含水
コンタクトレンズは、涙を介して酸素を目に供給しているので、水分をたくさん含むことができる(含水率の高い)コンタクトレンズほど目にやさしいといえます。
非含水タイプ
水分を含まないコンタクトレンズです。 現在ではあまり多く使用されていません。
シリコーンハイドロゲルタイプ
これまでは水分を含む量が多い素材のレンズほど酸素をよく透過するので目によいとされていましたが、まったく新しい素材(シリコーンハイドロゲル)のレンズが開発されました。シリコーンを使用することで、水分を含む量が少なくても酸素をよく透過し、これまでのレンズに比べて6倍以上の酸素透過性を有しています。
カラーコンタクトレンズの眼障害発生率は高く、より一層のケアが必要です。通常のコンタクトレンズよりも酸素透過性が低い、レンズに色が付いているので汚れに気付きにくい、規格が少ないために眼に合わないレンズを無理に使用していることがあります。また厚生労働省が承認していない度数の入っていないコンタクトレンズは安全性が認められていません。インターネットや通販での購入は危険です。そのようなコンタクトレンズは山本眼科では処方しておりません。
メリットとデメリット
ハードコンタクトレンズ | ソフトコンタクトレンズ | |
---|---|---|
メリット | 視力・乱視矯正力に優れている | 装用感が良い |
安全性が高い | はじめての方でも慣れやすい | |
涙液交換がスムーズ | 激しいスポーツも可能 | |
取扱いが簡単 | 使い捨てなどの種類が豊富 | |
耐久性がある | ー | |
デメリット | 慣れるまで異物感がある | 乱視などの矯正力効果が劣る |
ずれやすい、はずれやすい | 汚れを取り込みやすい | |
ゴミが入ると痛い | 涙の少ない方に乾燥感がある | |
ー | 眼障害に気づきにくい |
朝はめて、夜寝る前にはずすタイプのコンタクトレンズです。
眼科医の指導のもと、就寝時もはめたままでいられるコンタクトレンズです。
酸素透過性に優れたコンタクトレンズが、この使い方をすることができます。
終日装用のスタイルで使い、はずしたら捨てるタイプのソフトコンタクトレンズ。
ケアは不要です。
特に使用期間は定められていないが使用状況など個人差があるため、眼科での検査によりコンタクトレンズを交換するタイプのコンタクトレンズ。終日装用の場合は、毎日のケアが必要です。
終日装用のスタイルで使い、コンタクトレンズごとに定めた期間内で使用し、定期的に交換するタイプのコンタクトレンズ。毎日のケアが必要です。
ソフトコンタクトレンズは含水率とイオン性によって4つに分類されます。
グループ | 内 容 |
---|---|
Ⅰ | 非イオン性低含水 |
Ⅱ | 非イオン性高含水 |
Ⅲ | イオン性低含水 |
Ⅳ | イオン性高含水 |
- 低含水:含水率が50%未満
- 高含水:含水率が50%以上